赤く染まるキビの穂と夕陽

水平線近くに雲がなく、まんまるな太陽がそのまま水平線上に沈んでいく時に見られる「だるま夕陽」。
いわゆる蜃気楼の一種で、水平線で太陽の光が屈折してもう一つの太陽が現れ、この太陽が沈んでいく太陽と重なり合うことによって「だるま」のように見えるのだそうです。

高台にあるさとうきび畑の夕暮れ時。
赤く染まるさとうきびの穂の背後で、先ほどまでは周りに強烈な光を放っていた太陽がオレンジ色のボールのようにくっきりとその姿を現し、徐々に水平線へと降りてきました。
その先端が水平線にあたる瞬間にはまるで球体が溶けるように見え、その後静かに水平線の下へと消えていきました。

冬のさとうきび畑に降り注ぐ「天使の梯子（はしご）」。
「天使の梯子」は太陽の光が雲の端から漏れて放射状に広がる現象で、気象学的には「薄明光線」と呼ばれているそうです。
まるで天使たちが空から光の梯子を地上に伸ばして降りてくるような素敵な呼び名です。

宮古島でも太陽の角度が低い冬場や夕暮れ時によく目にします。
雲間からシャワーのように降り注ぐ光と光を浴びて輝くさとうきびの穂が相まって、思わず息を呑む神々しい景色を見ることができます。