大潮の海-海上に顔を出したサンゴ礁

海上の花畑とタイドプール-大潮のサンゴ礁
海上のサンゴ礁とタイドプール

宮古島の海岸線には地元の人が「干瀬(びし)」と呼ぶ珊瑚礁の浅瀬があり、多種多様なサンゴが育って天然の防波堤の役割をしています。
珊瑚礁に囲まれた浅瀬のタイドプール(イノー)には様々な生き物が暮らしています。

宮古島でサニズ(浜下り)が行われる旧暦3月3日。
女性が海に行き海水に手足を浸して身を清め、海の安全や健康を祈願する年中行事ですが、この時期は1年で最も干満の差が激しい時期で、女性のみならず浜へ降りて潮干狩りを楽しむ島人たちで賑わいます。
貝を拾うのが主ですが中には珊瑚礁の際まで行き、ドロップオフで大物狙いの釣りを楽しんでいる人も。

潮が引くとともにたくさんのサンゴが海上に顔を出し、タイドプールがまるで陸地を流れる川や湖のようにも見えます。

干潮の前後、約2時間くらいの間はここを歩いてサンゴや魚などを間近に観察することができます。
海上に現れた花畑-大潮のサンゴ礁
海上に出現した花畑のようなサンゴたち

海上に姿を現したサンゴ礁は、遠目に見ると茶色い塊のように見えます。
がれ場のようになっているところもありますが、場所によっては実に様々な色や形のサンゴがあり、まるで海上の花畑のよう。

調べてみると沖縄だけでも約200種のサンゴが確認されているそうです。
ハマサンゴ科、ミドリイシ科、サザナミサンゴ科、ハナヤサイサンゴ科などなど、、、、
今回見つけたサンゴの名前を確認しようとしたのですが、おおまかに形状でテーブルサンゴ、エダサンゴ、キャベツサンゴあたりまでは区別できても種類が多すぎてなかなか名前までは確定できませんでした。
花畑のようなサンゴとルリスズメダイ-大潮のサンゴ礁
間近に見るサンゴと魚たち

色とりどりの魚たちがいるサンゴ礁ですが、大きな魚たちは潮が引くのに合わせて沖の方に避難しているようです。
小さなルリスズメダイたちだけはいつもと変わらずサンゴの周りでたむろしていました。

普段は海中でしか見ることのできないサンゴたち。
間近にじっくりと見る機会はなかなかなく、つい時間を忘れて見入ってしまいます。

太陽の光を浴びて輝くサンゴ、、、
水面すれすれを泳ぎ回るルリスズメダイ、、、
水音に驚いて勢いよく海上のサンゴに乗り上げてしまったドジな魚も、、、

近くにいたおばぁに今日の収穫を見せてもらったのですが、以前と比べると貝もずいぶん少なくなっているそうです。
さらに漁業権の問題とかがでてきて、来たくても来るのをためらう人も多いのだとか。

確かに、昔より島人たちの姿は減っているように思います。
自然を守っていくことも大切ですが、古くからの風習も残していってほしいものです。