「かたぶり」と入道雲の行列

かたぶり-入道雲と雨のベール
真夏の風物詩「かたぶり」

宮古島の真夏の風物詩「かたぶり」。

成長した入道雲の底が地上近くまで垂れ込めて黒いかなとこ状になると、やがて雨のカーテンが地上へと降りてきます。
遠くから見ても「あー、あそこでかたぶりしてるなぁ」とわかるほどはっきりとしていて、さらに近づいて雲の真下に入ると土砂降りの雨。
たいてい2〜30分で雨は上がるのですが、今年の夏は高温で周りの海からたっぷり水蒸気が供給されているせいか、雨の量や勢いも例年とは違う気がしています。

かたぶりの境界あたりでは、雨がまるでヴェールのように青空を覆っていました。

内地ではゲリラ豪雨という言葉がよく使われていますが、「かたぶり」は少し違う印象で、宮古島では古くから馴染みのある自然現象。
特に農家にとっては夏場の恵の雨といった捉え方をされているようです。

ただしこの時期は朝晩問わず、いつ「かたぶり」にあうかわからないので、窓の開けっ放しや洗濯物への注意が不可欠です。
さとうきび畑を横切る入道雲の行列
列になって行進する入道雲の子供達

宮古島では一年を通して空に架かる橋のように一列に連なる雲を目にすることがあります。

夏の時期にはこの雲がいくつかに分かれて上へ上へと成長し、やがて立派な入道雲に。
こうしてできた入道雲があちこちで「かたぶり」となって雨を降らせています。

成長途中の段階では、まるで入道雲の子供たちが行列を作って行進しているように見えます。