サガリバナVol1-遊歩道に散る一夜限りの花

さがリバナ-雪のように降り積もる白い花
花に覆われる遊歩道

夏至の頃、太陽が沈むと花が開き始めるサガリバナ。
暗闇の中で妖艶な香りとともに幻想的な花を咲かせ、夜明けとともに散ってしまいます。

宮古島では添道の遊歩道脇にたくさんのサガリバナの木が育っていて、毎年その美しい姿を見るのを楽しみにしています。
暗闇に咲く花も綺麗ですが、何といっても早朝の落花の様子が感動的。

太陽が昇り始める前、まだ薄暗い遊歩道には昨夜の饗宴の余韻ともいえる甘く濃厚な香りが立ち込め、小鳥のさえずりだけが響いています。
やがて静まり返った遊歩道に、ポトッ、ポトッという音が聞こえ始めます。

いよいよ一夜限りの饗宴のフィナーレとなる落花の幕開けです。

あちこちの木から次々とまるで雪のように花が降ってきて、みるみるうちに遊歩道に降り積もっていきます。
やがて、遊歩道を埋め尽くすように敷き詰められる花の絨毯。

まさに感動のフィナーレです。
朝日を浴びる早朝のサガリバナ
落花前の最後の姿

サガリバナは「沢藤(サワフジ)」とも呼ばれ、咲き方は藤の花に似ていますが、ひとつひとつの花が大きくてまるで大輪の花火のように美しい花です。
この大きな花がそのままの形でポトッと音を立てて落花するのですが、見ていると決まって4枚の白い花弁を下にしてきれいに着地しています(たまに他の花にぶつかって横向きになったりしていますが)。

早朝、次々と花が散っていく中で最後の美しい姿を見せてくれたサガリバナ。
最後の余韻を楽しませてもらいました。