ムイガー -断崖絶壁と崖下の湧き水-

ムイガー断崖と石段
ムイガー断崖の下に湧き出る地下水

宮古島の南海岸、インギャーマリンガーデンから東平安名崎方向に向かう途中にムイガー断崖と呼ばれる切り立った断崖があります。
この断崖の下には崖から地下水が流れ出る場所があり、看板にある説明書によると水量は豊富で乾季にも涸れたことはなく、上水道が普及する前に簡易水道の水源地として利用されていたそうです。

駐車場に入る下り道の正面にある海に突き出した断崖の上からその姿を見ることができます。
柵も何もない断崖の先から真下を覗き込むのはかなりビビってしまうのですが、足を踏ん張りながら下を見ると、はるか下の海岸沿いに湧き水を貯めるコンクリートの囲いが見えます。
昔、湧き水を見に行こうと一度チャレンジしたのですが、道なき道に植物が生い茂り、見るからにハードルが高そうだったので途中で断念しました。
最近になってムイガー 断崖に登る階段や駐車場などとともに階段がきれいに整備されて行きやすくなりました。

下に降りる新しい階段は手すりもついて歩きやすくなってはいるものの、アダンのとげとげの葉っぱがはみ出していたり崖の岩場がせりだしてきていたりとなかなか大変。

それでも階段の途中からは目の前にそびえたつムイガー 断崖のダイナミックなシルエットやサンゴ礁の美しい海を一望できます。

下まで降りると崖の上から見た湧き水が溜まっているコンクリートの囲いにたどり着きます。
池のようになっている囲いの中には鮮やかな緑色の藻がビッシリ生えていて、透明な水のなかでゆらゆらと揺れています。
崖から湧き出して流れ込む水がコンクリートの囲いを超えて滝のように海へと流れ出していきます。
水量の多い時などは、沖合の海上から見ると崖から吹き出すように水が流れ落ちていると聞いたことがあります。

ムイガー断崖と七又海岸の海
ムイガー断崖の上から見る七又海岸

ムイガー 断崖の上に登る階段もきれいに整備されて頂上には展望台もできています。

昔、初めてこの崖に来た時には手すりも何もないボロボロの壊れかけた石段が細々と上まで続いていて、高さと足元が崩れる不安と戦いながら頂上まで登った記憶があります。
そのまま断崖の先の方まで行けたのですが、柵もないし風はビュービュー吹くし足元も不安だし、さすがに怖くて先までは行けませんでした。

後から、地元の人はなるべく近寄らないようにしているという話を聞いて「あ‥そういうこと‥」と納得。

現在では観光地化されているので以前とは全く違う雰囲気です。
断崖の上からは遠く東平安名崎にかけて絶壁が海に落ち込むダイナミックな七又海岸の絶景を見ることができます。
階段の上には陸側にむけてさらに小道がのびていて、展望台の東屋があります。

ほとんど人が来ないので、吹き抜ける気持ちいい風の中、のんびりするにはもってこいです。