伊良部島のサバウツガー-断崖の下の井戸-
断崖に続く石段と眼下に広がる青い海
伊良部島・佐良浜集落の北にあるサバウツガー(サバ沖井戸)。
1966(昭和41)年8月に簡易水道が敷設されるまで、240年以上も佐良浜の人達の生活用水として活用されてきた井戸で、石積みの井戸とその周辺地域、井戸までの階段も含めて市指定史跡になっています。(出展:宮古島市役所HPより)
急な断崖に沿うように石段がはるか下の海岸まで続いていて、階段の降り口から真下をみるとなかなかの迫力です。
急な石段を降りて行くと、がけ崩れの後もあったり勢いよくはみ出した植物が道の半分くらいまで迫っていたり…
足元の注意も必要ですが、前方に見える青い海も気になったりします。
崖の下にはコンクリートのテラスのような部分があり、その隅っこにかつての井戸を見ることができます。
(現在は水が涸れてしまっていて、中にはゴミも落ちている残念な状態です。)
目の前の海には大きな岩がいくつもあり、独特の雰囲気を醸し出しています。
昔は島の子供達が海遊びにきていたのを目にしていたのですが、現在では素潜り漁をする島人やすぐ近くにある「青の洞窟」にシュノーケリングで行く観光客の姿を見かけるくらいです。
私が訪れた時にはちょうど島人が素潜り漁からあがってくるところでした。
今日の収穫が入った箱を背負った島人の後に続いて階段を上っていったのですが、はるか上に見える崖のてっぺんへと続く道を登るのはかなりの重労働。
水を手に入れるためにこのきつい行程を毎日のように繰り返していた昔の人の苦労がしのばれます。
蛇口をひねれば好きな時にいくらでも水が使える現在の生活に改めてありがたみを感じずにはいられません。
※石段は途中の部分が年月の経過で失われており、崖の崩落もあって危険なため現在は階段の降り口に立ち入り禁止のロープが張られています。