大神島Vol1-大神漁港と遠見台
高速船「ウカンかりゆす」で渡る大神島
宮古島の市街地から車で約15分の島尻漁港から高速船で渡る小さな離島「大神島」。
宮古島から距離的、時間的には近いのですが、地元の人から「呼ばれた人」だけが行ってもいい「神の島」と聞いていたので、なかなか行くのに気持ち的なハードルの高い島でした。
島自体も一般の観光客を積極的に受け入れてこなかった経緯もあったのですが、最近は観光客も増え、以前よりは行きやすい雰囲気になっています。島尻漁港を出航して大神漁港までは約15分の船旅。
15年ほど前に初めて訪れてその後2回行ってますが、今回は5年ぶり。
現在就航しているのは大神海運のかりゆすシリーズ5代目に当たる「ウカンかりゆす」(2022年3月就航)。
「ウカン」とは大神島の地元での呼び名、「かりゆす」は喜びや縁起がいいことを表わす方言だそうです。
島尻漁港を出ると小さな船は全速力で青い海を突っ切っていきます。
底が透けて見えるほど透明度の高い海をデッキから眺めているとあっという間に大神島へ。
時期や天候によっても変わりますが、通常1日4往復の船便があります。
人々の行き来はもちろん、物資なども含めて大神島の島人の生活を支えている小さな船。
美しい風景に溶け込むように、今日も色々な人々の色々な想いをのせて漁港に出入りしていました。
のどかな大神漁港の風景
漁港を取り囲む防波堤からは美しいブルーの海となだらかな三角形をした大神島全体が見渡せて、最高の景色です。
南側の防波堤からは奇岩、北側の防波堤からはビーチとブルーのグラデーションが美しい海も見渡せます。
船が着くと人の出入りがあって多少賑やかになりますが、人々が目的地へと散ってしまうと時が止まったように静まりかえる漁港。
漁港にある待合所を兼ねた東屋では、船から降りて迎えを待っているらしいおじぃとおばぁが話をしていました。
ただすべて方言なのでさっぱりわからず、、、
のんびりとした漁港の雰囲気にぴったりのBGMのようでした。
遠見台-大神島のてっぺんから見渡す美しいブルーの海
コンクリートの道はすぐに木製の階段に変わり、覆い被さるように茂る亜熱帯植物のトンネルの中を進むと視界が開け、大神島のてっぺん・標高約75mの遠見台に到着です。遠見台は宮古諸島各地の高台にもあり、古来より海上を航行する船の警戒監視と伝達通報の役割をになっていました。
大神島の遠見台は10人程でいっぱいになりそうなくらい小さな屋根無しのウッドデッキ。
屋根がないので日差しがきついのですが、心地よい風が吹き抜けています。ここからは島の周りに広がるひときわ美しい青い海を見渡す事ができます。
南側には漁港やサークル状の「カミカキス」と呼ばれる奇岩の列、西側には池間大橋と池間島、北側には八重干瀬へと続く珊瑚礁の青い海、東側には沖縄本島へと続く東シナ海と太平洋。「青」という色のすべてのバリエーションを注ぎ込んだような多彩な青のグラデーションは、息を呑む美しさ。
まさに絶景です。※船が着いた直後はみんなまずここへ来るので、少し時間をおいたほうがゆっくりできるかも。
※遠見台のウッドデッキのすぐ下には「トゥンバラ」と呼ばれる琉球石灰岩の巨岩があり、信仰の対象として祭祀が行われています。また遠見台周辺には他にも御嶽(うたき)があり、そういった場所は特別な人以外、島人でも入る事ができません。看板があるわけでもなく自然に溶け込むように存在しているのでわかりにくいのですが、とりあえずそれっぽい雰囲気(お供物とか)があれば近づかないのがベストです。