うりずんに咲く月桃(ゲットウ)の花
月桃の可憐な花とつぼみ
沖縄では3月から4月の梅雨に入る前の時期、暑くもなく寒くもない温暖で爽やかな「うりずん」と呼ばれる季節がやってきます。
気持ちいい陽気に誘われて、この時期には宮古島でもいっせいに色々な花が咲き始めます。デイゴやイッペーをかわきりに、テッポウユリ、アマリリス、月桃の花…
月桃(ゲットウ)はきれいに並んだつぼみがかんざしのように見える可憐でエキゾチックな花です。
白くて先端が淡いピンク色のつぼみは、ぷっくりとして陶磁器のようになめらかな質感。
このかんざしのように並んだつぼみが根元の方から咲いていきます。
花はつぼみの色合いとはかけ離れた鮮やかな黄色。
この黄色い花と白いつぼみがきれいなコントラストになっています。
青空にのびる艶やかな葉と月桃の花
月桃の葉は花を覆い隠すほど長くてしっかりとしていて、重なり合うように青空に向かってまっすぐ伸びています。
近づくとショウガ科特有の爽やかな香りが漂います。
沖縄では昔から月桃の葉を薬草として暮らしの中に取り入れていました。
ムーチー(餅)を包むのにもこの葉を使っていました。
月桃は民家の庭でもみかけますが、さとうきび畑の中の農道脇ではまるで垣根のようにずらっと並んでいる群生を見ることができます。
毎年うりずんの頃になると、緑一色だった群生の中に次々と白い花のかんざしが現れて香りとともに目を楽しませてくれます。