大竹中洞窟-伊良部島の洞窟とガジュマル

洞窟と鍾乳石-大竹中洞窟
陥没ドリーネの洞窟

 

伊良部島の大竹中洞穴(うぶたけなかどうけつ)は石灰岩が溶食されて地表が陥没して生じた、しゃもじ型をした広いすり鉢状の凹地(陥没ドリーネ)の崖面にある横穴の洞です。伝承では沖永良部島から流れ着いた人々がここに住んでいたそうで動物や人の歯の化石も発見されている市指定天然記念物です。(出典:綾道・伊良部島コース-宮古島市教育委員会発行)

昔、サトウキビ畑の中の農道を車で適当にうろうろしている途中でこんもりとした茂みに人が通れるような道がついているのを見つけて、プチ探検のつもりで入ってみたのが最初でした。
目印のない広大なサトウキビ畑の中でわかりづらいのですが、現在は看板が立っているしgooglemapもあるので以前に比べると格段に見つけやすくなっています。

農道の脇から茂みの中に入ると狭くて急な斜面が現れます。滑り落ちないように注意しながら降りると、周りを琉球石灰岩の崖に囲まれ、一面亜熱帯の植物に覆われた開けた空間に出ます。
降りたところから反時計回りに生い茂る植物をかきわけて少し進むと、崖面にぽっかりとあいた洞窟が現れます。

洞窟自体はそれほど広くはないのですが、鍾乳石のような琉球石灰岩が無数に垂れ下がる崖面に圧倒されます。

神々しいガジュマルの気根-大竹中洞窟
神々しさとパワーを感じさせるガジュマル

最近も何度か訪れていて、洞窟はもちろんですが一番の目的は最初に訪れた時に見つけた神々しいガジュマルを見るため。

実は最初に訪れた時は事前の知識などが一切なかったため、洞窟のある方向とは逆方向からすり鉢状の崖沿いを一周しました。
こちらのコースはかなりハードで、ゴツゴツした岩場や植物に阻まれながら悪戦苦闘しながら進んでいた時、パッと目の前に現れたのがこのガジュマルでした。

崖の上にあるガジュマルから垂れ下がった無数の気根が崖面を伝い、小さな洞窟の前にある岩に絡みついています。
ちょうど太陽の光が差し込んで、何とも言えず神々しい光景に思わず息をのんでしまいました。
気根は大きな岩を覆うようにがっちりと絡みついていて、その生命力に圧倒されます。

同じ伊良部島にあるヌドゥクビアブのガジュマルは神秘的な雰囲気を醸し出していますが、こちらのガジュマルはそれとはまた一味違う圧倒的なパワーを感じさせます。