アカバナー-沖縄に根付く原種系ハイビスカス

農道のアカバナー(ハイビスカス)と入道雲
農道に咲くアカバナー

沖縄の代表的な花「ハイビスカス」。
色々な品種がありますが、一番地元に根付いているのが「アカバナー(赤花)」と呼ばれる原種系のハイビスカスです。
品種改良された園芸種のハイビスカスの様な大きさと派手さはありませんが、真っ赤な小ぶりの花は沖縄の風景に溶け込む素朴な魅力に溢れています。

宮古島ではサトウキビ畑の農道脇に垣根のように植えられているのをよく目にします。
基本的には一年中どこかで咲いてはいるのですが、花が一斉にたくさん咲いている時には思わず足を止めてしまうほど見事な風景です。

一面に広がるサトウキビの緑と空の青、その風景に彩を添える鮮やかな赤い花々。
時には入道雲やうろこ雲がさらに魅力的な瞬間を作り出してくれます。
青空に映えるアカバナー(ハイビスカス)
青空に映える赤い花

南国を代表する花というイメージがあるハイビスカス。
その原種に近い小さな赤い花・アカバナー。

宮古島に住み始めた頃は、あまりに無造作にあちこちで花を咲かせているのを見て感動し、写真を撮りまくっていました。
最近ではすっかり日常の風景の一部となっていましたが、たまにじっくりと向き合うと改めてその魅力を感じずにはいられません。

垣根になってたくさん咲いている姿も壮観ですが、ひとつひとつの花にもそれぞれ表情があり、素朴な姿ながらもその鮮やかな赤は宮古島のくっきりとした青空によく映えます。
少し反り気味の花弁の中央から1本になってのびる特徴的なおしべとめしべも、その存在感を強烈にアピールしています。

民家の庭によく植えられている園芸種の華やかなハイビスカスとはまたひと味違う、沖縄の風土に根付いた風情を感じさせてくれる花です。