保良の石灰華段丘Vol2-黄金色に輝く石灰華の棚田

国指定の天然記念物になっている保良の石灰華段丘。
屋外で見られる石灰華段丘は数少なく、太陽の光のもとで見ると黄金色に輝いてまさに絶景です。

崖側から見ると石灰華の畦道（リムストーン）に囲まれてできた水たまり（リムストーンプール）が棚田のように海に向かって続いています。
黄金色の石灰華は複雑に入り組んだ網目のようになっていて、透明な湧き水をたたえたプールには流れ落ちる水が小さなさざなみの模様を刻んでいます。

まさに自然が長い年月をかけて創り上げた見事な芸術作品です。

海側から見上げると、崖下の岩場に黄金色の絨毯が敷き詰められたような絶景が広がります。
遠目に見ると崖から海へ向かって流れ落ちる黄金色の滝のようにも見えます。

淡い黄色から若草色、赤茶と黄金色のグラデーションが一面を覆い尽くす光景は思わず息を呑む美しさ。

下から見るとびっしりと積み重なった石灰華の美しさがより強く感じられます。
近くには龍神が住まう場所としても信仰を集めているパンプキン鍾乳洞があり、そのせいかうろこのように緻密に積み重なった石灰華を見て思わず「龍のうろこ」を連想してしまいました。

石灰華と湧き水のプールが創り出す幻想的な黄金色の庭園。波や風など厳しい環境の中で長い年月をかけて創り上げられた素晴らしい自然遺産です。

地元でもほとんど知られていない宝物。
気軽に行ける場所ではないので、こうして自然のままの美しさを保つことができているのかもしれません。