伊良部島-佐良浜海神祭Vol1-おおばんまいと大漁旗

漁船に飾られた大漁旗-伊良部島海神祭

漁港を埋め尽くす大漁旗

旧暦の5月4日(ユッカヌヒー)に宮古島の各漁港で開催される海人の祭り「海神祭」。
一年間の航海の安全と豊漁を祈願するお祭りで、サバニと呼ばれる沖縄の伝統的な舟でハーリー競走などが行われます。

2023年は6月21日が開催日。
島内のあちこちで開催されるためどこのハーリーを見に行くかいつも迷うのですが、今年は4年ぶりの本格開催という事で一番盛大な伊良部島の佐良浜漁港へ行ってきました。

朝8時半過ぎ、佐良浜漁港には大音量の演歌が響き渡り、すでに大勢の人が集まって来ていました。
すべての漁船がたくさんの大漁旗や日の丸で飾り付けられ、祭りの雰囲気を盛り上げています。

漁港を埋め尽くす大漁旗は漁船の名前入りで鮮やかな色彩の配色や図柄も様々。
勢いのある図柄やカラフルな色使いで、見ているだけでワクワクした気分になってきます。

ハーリーのサバニ-伊良部島海神祭

出番を待つ「サバニ」

あちこちの漁船の船尾ではこの時間からすでに酒盛りが始まっていました。

佐良浜漁港には南と北に二つの船着場があります。
北側は前里添集落、南は池間添集落と集落によって使い分けていて、ハーリーもこのふたつの集落ごとに別々の場所で行われます。

それぞれの船着場にはサバニと呼ばれる沖縄の伝統的な舟がハーリー競争に備えてスタンバイしていました。

ハーリーの合間には防波堤で島っ子たちが定番の飛び込み大会(?)も開催されます。

おおばんまいの開始-伊良部島海神祭

カツオの切り身が盛大に宙を舞う「おおばんまい」

午前9:00すぎ、いよいよ海神祭のオープニングパレードが始まりました。
漁港から約500m先の大主神社まで横断幕を先頭に三線を奏でながら唄う人、保育所の園児や結の橋学園の生徒、婦人会や老人クラブなど多くの地域住民が続きます。
パレードの後はそれぞれの団体による演舞のお披露目とハーリー。午前11:30分頃、漁協の建物からフォークリフトが出てきて桟橋に停泊していた3隻の漁船にカツオを積み込み始めました。いよいよ大人気の「おおばんまい」の始まりです。

「おおばんまい」は新鮮なカツオの切り身を漁船から豪快にばらまく伊良部島の海神祭恒例のかなりワイルドなイベントです。

カツオが頭上を飛び交う中、少しでも多くと、ビニール袋やダンボールはもちろん、傘や野球のグローブでキャッチする強者も。
むき出しの切り身が群衆めがけて投げ入れられるため、カツオのみならず血飛沫も一緒に飛んできます。
飛んでいくカツオを見ているうちに横から別のカツオに直撃される人も。

会場には歓声と同時に、血飛沫を浴びたり直撃を食らった人の「ぎゃぁーー」とか「ひえぇ〜」といった叫び声も混じります。

今年は4年ぶりのおおばんまい開催とあって、1.3トンものカツオが盛大に宙を舞いました。
みんな汁にまみれながらも、たっぷりのカツオにありつけたようです。

人がいなくなった広場では、アジサシがおこぼれのカツオをついばんでいました。
今日はアジサシもご馳走にありつけたようです。